今日は午前中マナー研修、午後はインターネットリテラシー研修でした。
まず先に言うべきこととして、今日はすごく楽しかったです。主体性を持ってアウトプットしないとどうしようもない課題だったのと、答えのない問いを考えているのがすごく好きなのでいい時間でした。午前午後のグループ両方ともとてもいい組織ができた気がしています。せっかくワークをたくさんやったので、今日は自分の意見のアウトプットを中心に書いていこうと思います。
午前中のマナー研修は浦野さんが「報連相」についてお話してくださいました。「報連相」をマナーの一つとして考えることに意外な気もしましたが、「企業という組織で働くこととはどういうことか」というテーマをもとに進められた二時間半の間に非常にそれを納得しました。
まずまとめてみます。組織にいるということは、いかに「レバレッジ」を生み出すか、つまり自分が入ることによってどれほどの価値を与えるかであり、そのためにコミュニケーション(共有)が必要不可欠となります。その効果的なコミュニケーションが「報連相」というものだ、ということでした。組織における「報連相」は「ともに仕事をする組織の仲間であるあなたとの関係を重視していますよ」という土台となるコミュニケーションの証明になるということ、つまりこれは「ビジネスマナー」と同義になります。また、学生と社会人の違いについてのお話では、今まで大半の場面で自分が負えばよかった責任が、自分の行動の責任を上司や組織が負うことになること、時間は組織が持つ総時間の一部という考え方など、社会人というより組織の中で生きることによって違いが生まれてくるのだなと感じました。
次に「仕事ができる人とは」「良い組織とは」「なぜ企業で働くか」「組織に必要な人間とは」についてのワークで考えたことをせっかくなので覚え書きのつもりで書いて午後の話題に移ろうと思います。
○「仕事ができる人とは」
これは私が主に展示会設営の大工現場で働いていた時に凄く仕事ができるなぁと思っていた人たちの共通点を思い出して考えていたのですが、
・予測と準備ができる人
・人を無意識にでもうまく動かせる人
・自分の役割と立場を瞬時に理解して動ける人
の3つを考えました。僕のやっていた展示の大工さんたちはその日その日の現場でメンバーが違う中で、自分のやるべきことをすぐ理解して仕事をします。効率の良い仕事のために人に上手く頼り、次の工程を読んで行動ができます。「プロだ…」というため息を何度ついたことでしょう。これはどんな業種でも当てはまることだと思っています。
○「良い組織とは」
今まで所属していてうまくいった組織を思い返すと
・リーダーの意志をくみ取れて伝えられる人間がいること
・リーダーが何もしなくても回る組織
でしょうか。全員が意志を理解していることが理想ですが、それがなくとも、リーダーがいなくともその考えを理解し伝えられる人間がいることで同じ状態で作業を行うことのできる組織は強いと思います。また、リーダーがマネジメントに専念できるほどの状態がベストな組織は本当に強かった印象があります。
○「なぜ企業で働くか、そこでどういう人間になりたいか」
これは明確にあります。
僕は劇団という凄く組織としてのレベルが高いのに全くそれでメシを食えない組織に所属していて、これだけデキる人間がコンビニバイトで生計を立てているという現実がなんとも言えず、ここで学んだ方法論でお金を稼げる企業でも仕事ができるのではないかと強く思っていました。ですから組織が出来上がった企業に就職をする必要がありました。就活では劇団での経験をもとに色々お話をした結果、正直どの企業の反応もだいたい手ごたえがあったので、ここからどうなるか楽しみではあります。
しかし入社後は経験値にとらわれず柔軟にいろいろなことを取り込むことのできる人間になりたいです。また人を動かすことのできる人間になるというのも目標です。
○「組織に必要な人間とは」
「組織においてその都度自分の期待された役割と立場を正しく認識して動ける人、またそれに向けて自分の状況を客観視し正しく準備し努力ができる人」
のことだと思います。「手を挙げるやつだけが偉い風潮が嫌い」「リーダーしかやらない人間が嫌い」と言って謎のウケを取ってしまいましたが、周りを見て最善手をマネジメントできる人間が好きだしそうなりたい、ということです。
午後のネットリテラシー研修は、「IT業界の一員としてのアイデンティティ」に対しての研修で、ITにまつわる最近の3つの事例について議論し理解を深めるものでした。テクノロジーの進歩とともに生まれてしまう新たに考えなければならない未だに答えの出しにくい問題についての議論ばかりで相当疲れましたが大変有意義なものでした。
一つ目は「apple(企業の正義)とFBI(司法、国家の正義)の対立」についてでした。かなり難しい議論でしたが、僕たちの班では「犯罪行為である以上、開示はすべき。しかし一概にそうすべきというわけではなくこういった問題はその都度丁寧な検証が必要となるのが現状であるとともに、FBIの技術力向上が急務」という結論になりました。また、ここでユーザーを取り巻く要素として「法」「市場」「規範」「アーキテクチャ」の4つが挙げられました。
二つ目は「ビッグデータ推進VSプライバシー保護」について。個人の行動、傾向を分析して広告などに反映させる「最適化」のシステムは当たり前になっていますし、ビッグデータを活用したビジネスも数多く行われていますが、それが可能になるたびに懸念されるのがプライバシーです。ユーザーという「記号」を分析していくことで個人が特定される恐れについて不安や嫌悪感が広がっているという問題です。ビッグデータを活用したリードジェン事業を持つアイティメディアに入社した以上、考え続けなければならないもので、明確な答えはありません。プライバシー擁護の立場だと将来的な危険性を想定してブレーキをかける必要性を訴えることが多かったですが、それをあくまで可能性だと退けることもできません。かなり難しい問題だと思います。
三つ目は「最適化」によって生まれるインターネットの「類友化」です。この問題は、それまで生活を充実させるための補助道具的存在者であったインターネットが、生活基盤に深く根付き始めたことで生まれた問題であると考えます。その人が必要、好むと思われる情報が提供されている状態をそれとして認識しないようになって、ネット=「世界」という認識ができている人というのは確かにいるのです。その背景として、新聞、テレビというメディアの存在が情報の基準、「これさえ見ておけばだいたいわかる」という役割のものではなくなってしまい、情報をつかむ方法に変化が訪れたことがあると思います。今回は商業的観点と一利用者的観点の両面から話をしましたが、商業的観点ではもちろん類友化は大歓迎です。できるだけ類友化してくれた方が商売はしやすいでしょう。ただ一利用者としてはどうでしょうか。議論の結果、「類友」であると認識できている人には問題はないですが、そう認識せず先述のネット=「世界」という思考になってしまっている人が問題であり、そのためには教育しかないのではないか…という内容になりました。
いずれにせよ、ITの進歩によって人間の生活が変革していき続けていることは明白で、それを伝えていくのがネット業界にいる人間のやるべきことであると聞き、大いに意識してこれから生きていこうと思いました。