4月4日の夕方、研修のプログラムの一環で、ソフトバンクグループの研修の現場に突撃してきました。場所はお台場のテレコムセンター。お台場はたまに行きますが、テレコムセンターは初めてでした。予想以上に遠い…
さて、その研修の内容ですが…
花王株式会社に勤め、「iPadバカ」などの様々な書著がある、美崎栄一郎さん
@ITの副編集長である、西村賢さん
のお二方が、現在のテクノロジーのトレンドを話すという講演会です。
…ということで、ここからはこの講演会の内容をさらっとおさらい。スライドを使って説明していたのですが、スライドのデータが手元にないので大変…orz
まずは、西村さんの講演からスタート。テーマは「クラウドコンピューティング」の現在の状況、です。小テーマに分けつつ、まとめてみます。『』内は僕の感想です。
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○クラウドに今変化が起きている?
クラウドというのは情報社会の重要なインフラになる。各々のデバイスとの組み合わせで仕事やライフスタイルを変えていくはず。
そのクラウドに今大きな変化が起きている。
今まではPCなどのツールを介さなければクラウドにアクセスすることができなかったが、現在ではデジカメやスマートデバイスなど、様々なのデバイスが直接クラウドへ繋がるようになった。例えば、スマートフォンのgoogle音声検索は、クラウド上の音声データと照合することで音声の認識を可能としている。
『これから来るであろう、ユビキタス社会における前提とも言えるはず。このような状況を所与としてビジネスやサービスを考えなければいけない時代に既に片足突っ込んでいるのかもしれません』
○クラウドって経済的!
クラウドはサーバーとは異なる概念。どちらかというと分散コンピューティングに近い。
Googleにおけるクラウドの例として、例えば僕らが1回googleで検索を行った場合、700~1000のサーバーが一瞬だけ動いて膨大な量のデータを持ってくるといったような感じ。同様にGmailのデータも世界中のサーバーに分散されて存在している。
こういったシステムのメリットは何かというと、大量のサーバーを効率よく動かせるということ、そして停電やサーバーの故障などの障害に強い構造となっているということ。バックアップが無数にあることが強み。停電やサーバーの故障などのアクシデントが所与となっているシステムである。
また、非常にローコストであるため、広告収益のみのビジネスモデルで無償で数億人にサービスを提供できる。Googleは電気代の安い夜の国のサーバーを使うようにしており、結果的に地球上の夜の地域を追いかけていることを例え、”googleは月を追う”とも言われているとか。
○時代と共に変化するソフトウェア
ソフトウェアの配布形態から考えると時代の変化が分かりやすい。
・ホスト+専用機の時代
各社独自の技術で開発されたソフトウェアは各PCに付属する形で提供されていた
・サーバー+PCの時代
開発に用いられる言語は基準ができ、ソフトウェアはパッケージで流通、販売されていた
・クラウド+タブレットの時代
ネットワークを通じてソフトウェアをダウンロードする形が一般的になる
○クラウドと同じぐらい大事な2つの世の中の変化
1.ソーシャル化
情報過多の状況に対するフィルタリングの必要性が出てきた。特に現在では、Facebookなど人間関係に基づいてネット上の情報を再整理する動きが顕著。よって、ビジネスの現場では、ソーシャルグラフ(人間関係図)というリソースの奪い合いとなりそう。現時点ではFacebookが最有力。
2.リアルタイム化
技術の発展に応じて、情報の流れがケタ違いの速度に。
『twitterがこのリアルタイム化の流れを決定付けるサービスだったと思います。「リアルタイム性」の価値を示したということが大きな理由です。リアルタイム性は人間の行動を喚起させるのに非常に相性が良い。行動への衝動を起こしやすくする、悪く言えば衝動買いなどに走らせるのに有効ということかも』
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続いて、美崎さんの講演。「iPad」をテーマに、こちらは割とフランクな感じで進んでいきました。
「…というかiPadみんな意外に使いこなせてなくね?」という感じでスタート。Softbankの方々は前もってiPadをもらっていたらしいです。そのアンケートの結果を基にしたものでした。ちなみに僕はiPadは入社した日にもらいましたw
講演会慣れしている!質問に答えた人に本を配るところあたりは流石だと感じました(笑)講演というより、会場のみんなとのインタラクションが主だったので、内容のほうはさっくりとまとめます。
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○iPadを使い倒せ!
大体、多くの人はネットとtwitterぐらいしか使っていない、でももっと多くの使い方ができる。色々試していくべき。iPadの新しい使い方、新しいビジネスが思いつくかもしれないから。
○iPadはビジネスをガラッと変えるチャンス
マンガが提供される ⇒どこでも漫画喫茶になるかもしれない?
ユーザーは若者中心? ⇒高齢者向けのサービスも可能なのでは?
雑誌が提供される ⇒本をわざわざ書店で買う必要ない?(電子書籍全般)
『iPadというタブレットによって「場所」という概念が取り払われるという要素がビジネスを破壊・創造していくのではないか?という印象です。例えば図書館って必要なのだろうか、もっとタブレットで情報を読むことに特化した場所が必要なのではないか、みたいな議論もするようになるのかもしれませんね』
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ここからは気になった質問を。
Q.Skypeがスマートフォンのアプリとなることでどうなる?
A.(美崎さん)電話やメールとtwitterがコミュニケーションの手段として同列になる。
(西村さん)Skypeはパンドラの箱。既存のビジネスモデルが急に破壊されるので、すぐには浸透しないのではないか。
Q.AndroidとiPhone、どっちが市場を制する?
A.(美崎さん)Androidと iPhoneはそもそもビジネスモデルが違う(広告vs囲い込み)ので直接戦うことにならないと思う?
(西村さん)UIに関してはiPhoneが大きく差を付けている印象。
Q.Appleの独占についてどう思うか?
A.(西村さん)Appleの独占にエンジニアは怒っているが、androidが逃げ道に?
(美崎さん)独占は割と起こりうること。Appleの前はMicrosoftだった。
YahooをGoogleが抜いたように、Appleがずっと勝ち続けるとも限らない。
…まとめるとこんな感じでした。
全体を通して感じたのは、クラウドという新しいシステムやiPadという新しいデバイスが既存のライフスタイル・ビジネスのスタイルを大きく変えるということ。ここが最も強調したかったことなのかもしれないですね。
新しいテクノロジーが人の生活やビジネスを変える。これからはこの流れが加速するとも考えられます。そういった変化に対して敏感にならないといけない、ということを伝えるための講演会だったということで。
今回の研修レポートはこんなところで締めようと思います。
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