先日「ソーシャルメディアを新卒採用に活用する」というテーマの勉強会で当社の成果を発表するという嬉しい機会をいただきました。そのときのプレゼンテーション資料をSlideShareに公開したのですが、公開した日に閲覧数が250を超えるというこれまでにない反響の大きさで「こんな拙い資料でお恥ずかしい」と思うとともに、やはりニーズの高いトピックなのだなぁとあらためて感じています。
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勉強会資料】新卒採用とソーシャルメディア
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拙い資料ではありますが、この資料には、実際に新卒採用を(就活系のナビサイトを使わず)ソーシャルメディアで行った担当者としての、経験則はおよそ盛り込むことができたと考えています。
今回伝えたかったポイントは3つあって、またその順番も大切だと考えています。
第1点目としては、ソーシャルメディアに限らず、媒体やツールをどう使うかという話は、方法論(戦術のなかのひとつの検討要素)であるはずなので、まずはその上位概念である事業戦略や採用戦略から話が出発していないとダメだろうということ。
第2点目としては、Twitterをはじめとするソーシャルメディアの特徴や、先取的ユーザーの特徴については仮説的にでもきちんと理解したうえで、自社に適するタイプか確認する必要があるということ。
第3点目としては、ソーシャルメディアに底流するコミュニケーションのロジック(情報流通や発信のわきまえ)を尊重したうえで、運営側の施策が具体化されなければならないということ。
上記の3点を順番に検討していくのが重要だと考えており、そのような3部構成として資料を作成しました。
この3点を順番に捉えていけば、自社がどのような人物にどのようなアプローチをかけていくべきか、そのためのツールに何を求め何を担わせるのか冷静に考えられると思っています。そうすれば「他社がやって成功しているから」「はやっているから」というような手の出し方ではなく、成果に近づく可能性が高くなると思います。また、この検討のプロセスで必然性を確認できたのであれば、細かい点(具体的な工夫の施し方とか)にはそれほど心を砕かずとも、間違った行動はしないのではないか、とも思います。
勉強会でいただいた質問の中に「アイティメディアはWebのメディアを事業としている企業。ソーシャルメディアの先取的なユーザーを対象とした採用アプローチには特に親和性が高いであろう、つまり、かなり特殊なケースではないのか」というものがありました。確かに当社はそういった点でドンピシャな企業のなかの1社だと思いますが、決して特殊なケースであるとも思っていません。それぞれの企業の戦略・目的・特徴を順に戦術に具体化していけば、新しいコミュニケーションに長けた人材とかチャレンジに躊躇しない人材を求める必然性は多くの企業にあるでしょうし、そういった人々に対してアピールするべきコミュニケーションの惹きポイントも、各社それぞれお持ちなのだろうと思います。そしてそれらを採用担当者が確認するロジックを持っているということが、「ソーシャルメディアを採用に使うべき企業の条件」と言えるのではないか、そう考えています。それは、事業形態の親和性とは別のことではないだろうか、、そんなことを伝えさせていただきました。
また、上記ようなさまざまな検討の結果として、「自社の風土やコミュニケーションパターンとソーシャルメディアは全く異なる」ということが判断できれば、別のより良い方法の検討に繋がると思いますし、無為に手を出したことで発生するかもしれない大きなリスクをきちんと回避することができます。それはとても大切なことで、決して「最近出てきたものを使うことがエラい」というものではないはずだと思っています。
文責:人事・採用担当 浦野
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