就活生のスマートフォン利用調査は、これから様々なデータが出てくると良いなと思いますが、今のところは「普及の規模」というポイントに皆さんの興味があるのか、いまのところ調査結果もそういった点を示すものが出てきています。
多くの企業側からすると、最初は数がどのくらいあるのかというマスアプローチ視点の認識から始まるかな~とも思います。
via kwout
実際のところ、2012年にはPCよりもスマートメディア(スマートフォン、タブレット端末)のほうが出荷台数が多くなるのですから、この期に及んで「普及の規模」を調査しても仕方がないと思っていますが。
上記ITmediaでも取り上げた、今回のダイヤモンド社さんの調査は、前回調査とほぼ同様のものでした。ということは実態として正確なものが出ている、と考えてよさそうなので、ひとつの参考資料となりそうです。
本当は(前回のエントリの最後でも書いたのですが)
・スマートフォンを購入した本来の目的
・スマートフォンを購入した時期
・スマートフォンを使うシチュエーション(場所、時間帯、利用用途)、主な活用方法
・就活を有利にすると考えている理由や利用方法
というあたりが判明してくると、就活生のスマートフォン利用行動と意識がかなり明確になってきます。今後のいろいろなところからの調査に期待したいところ。
■PCの代わりとしてのスマートフォン利用
さて、今回のダイヤモンド社さんの調査では、上記のうち「就活に有利だと思う理由」について、新たに踏み込んでくれています。
この結果からは「PCでの利用を前提に提供されているものを、スマートフォンで利用している」という姿が見えてきます。
ちょっと残念なのは「スマートフォンだからこそ」というものがこれらの中には見えてこない、ということでしょうか。
提供する側もまだスマートフォンならではのものを提供していない、ということがあるのだと思いますし、こういった新しい分野ではプロダクトアウトがまだまだ効く、ということが言えそうです。
使う側も、どのような使い方に新しい可能性があるのかがわかっていない。まだまだそういうフェーズが2011年という捉え方ができます。
■でも回線繋がらないの・・・
ところで、「就活に有利だ」と思う理由と「次をiPhoneにしないと思う理由」の組み合わせが、かなり面白いと思っています。
エントリーがしやすい、とか、メールへの対応が便利というのは、「繋がっていてこそ」のリアルタイム性が就活に有利な要因であるはず。iPhone(softbank)は、学校内でさえ繋がらない場所が多いというのでは、就活に有利と言い切ることは、実際はなかなか難しいでしょう。
米国では、従来のAT&Tに加えてverizonがiPhoneのキャリアに加わりました。日本でもiPhoneが複数キャリアとなって、ドコモでの取り扱いが始まったら、キャリア間の比率はどうなるでしょうか。
Appleは戦略として、AT&Tにしろsoftbankにしろ、ユーザーの忠誠心を確認・醸成するようなキャリア選択(笑)をまずやってみて、次に本命のキャリア(verizonとかdocomo??)で展開させて、普及カーブをコントロールしているんじゃないか・・・とか、いらない妄想までしたくなります。
ちなみに、facebookの普及戦略についてはザッカーバーグはこんな発言をしています。
“ハーバードで発表すると、いくつかの学校から、うちでもやってくれないかと連絡を受けた。ハーバード以外で最初にフェイスブックを立ち上げたのは、イェール、スタンフォード、コロンビアの3校だった。彼らを選んだのは、いずれもが何らかのコミュニティ・ウェブサイトを持っていて、学生はほぼ全員それを使っていたからだよ。フェイスブックの効率性を確認したかったから、すでにコミュニティ・サイトがあっても鞍替えするものかどうか、試してみたんだ。 ”
文責:人事・採用担当 浦野
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